●歌は、「草枕旅の宿りに誰が夫か国忘れたる家待たまくに」である。 橿原市南浦町 古池万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑は、橿原市南浦町 古池にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「柿本朝臣人麻呂見香具山屍悲慟作歌一首」<柿本朝臣人麻呂。見香具山の屍(しかばね)を見て、悲慟(かな)しびて作る歌一首>である。 ◆草枕 羈宿尓 誰嬬可 國忘有 家待真國 (柿本人麻呂 巻三 四二六) ≪書き下し≫草枕旅の宿(やど)りに誰(た)が夫(つま)か国忘れたる家待たまくに (訳)草を枕のこの旅先の宿りで、いったいどなたの夫なのであろうか、故郷へ帰るもの忘れて臥せっているのは。家の妻たちは帰りをひたすら待っているので…