●歌は、「百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ」である。 奈良県橿原市東池尻町妙法寺参道前万葉歌碑(大津皇子) ●歌碑は、奈良県橿原市東池尻町の妙法寺(御厨子観音)参道入り口近くにある。 ●歌をみていこう。 ◆百傳 磐余池尓 鳴鴨乎 今日耳見 雲隠去牟 (大津皇子 巻三 四一六) ≪書き下し≫百伝(ももづた)ふ磐余(いはれ)の池に鳴く鴨を今日(けふ)のみ見てや雲隠りなむ (訳)百(もも)に伝い行く五十(い)、ああその磐余の池に鳴く鴨、この鴨を見るのも今日を限りとして、私は雲の彼方に去って行くのか。(伊藤 博 「万葉集 一」 角川ソフィア文庫より) (注)ももづたふ【百伝ふ】:枕詞 …