第三部 ヨーロッパの諸言語とナショナリズムの挑戦第七章 言語からの号令言語の運命への人間の介入 私的な道と公的な道借用は元の言語の用語をそのまま持ち込むこともあれば、受け入れ側の言語の音韻に適応させることもある。借用に対しては、しばしばナショナリズム的態度によって拒否されることがある。その際、改革者たちは土着の語根や、それらの語根の組み合わせからなる複合語に依拠することを好む。p223言語が民族をつくる1848年の爆発によって、絶対主義国家がそのこだまを忘却の彼方に追いやろうとしていた古びたことばが再び姿を現した。諸民族が次々と発する声はうねりとなってヨーロッパを揺るがした。それは、中欧や東欧…