正徳2年7月6日。昨年、関東からの命令で海道の諸駅に時の鐘を置き(ママ)、鐘を鳴らして時を告げる。あるいは撃拆(拍子木)で時を告げる。清須では少し前清涼寺に清須代官柴山百助が製作した鐘が出来上がる。今月鳴海の時の鐘を鋳造し、護頭山如意寺に置く。製作は三宅善八が請けたので、天野源蔵が造る。年号の下に天野信景製作と書き、邑宰三宅善八・藤原重行、護頭九葉、海岑和尚及び鋳匠の名、御国奉行の姓名をも書き連ねる。何年か前、但馬様の賄荻本小左衛門という者は訳あって追い出され、剃髪して休意と号し、三州矢矧村で庵構えていたが、昨年また追い出された。年は68歳であった。名古屋杉之町の以前召仕えていた者のところへ潜…