この記事は、シリーズ「カシミール・ダル湖とハウスボートの旅」の第4話です。 第3話はこちら → 水とともに暮らす、名もなき日々の美しさ|カシミール・ダル湖とハウスボートの旅 導入文:ダル湖からトレッキングに出かけたのは、ある朝のことだった。ハウスボートの静かな暮らしにもすっかり馴染んでいた頃、ふと「もっと先を見てみたい」と思った。それは“観光”でも、“冒険”でもなかった。ただ、あの静けさの続きを、もう少し深い場所で感じてみたかったのだ。 本文:パキスタン国境に近い山奥へ向かって、ぼくは1週間ほどのトレッキングを始めた。荷物はロバに積み、ガイドとシェフも同行してくれることになった。ダル湖の賑やか…