2019年のブログです * 佐々木譲さんの『沈黙法廷』(2019・新潮文庫)を読みました。 力作です。 薄幸な家事代行業の女性に、客である老人殺しの疑いがかかります。 そこに、警視庁と埼玉県警の争い、さらには、それぞれの警察組織内での争いが加わり、はたまた、マスコミの無責任さも加わって、真犯人や事件の真相が見えにくくなります。 裁判が始まりますが、じーじは年寄りゆえに、途中で検察官の論理についていけなくなったりしました。 じーじの頭の悪さのせいもあるでしょうが、おそらくはそこである種のムードや演出が大手を振るう裁判員裁判の危険性もが感じられました。 「真実」というのは難しいものだと思います。 …