1. 金融報道は市場を動かし、その市場を再び報道する 金融報道は市場を客観的に観察するだけではない。報道そのものが投資家の判断を変え、市場価格に影響を与え、その変動を再び報道する。この自己参照的な構造は、金融経済学とジャーナリズム研究の双方で検討されてきた。 Thompson(2009)は、金融報道が市場の現実を描写するだけでなく、その現実を構成する「再帰性」を論じた。ニュージーランドの金融専門家への調査では、投資家が専門メディアに求めるのは経済指標だけでなく、他の投資家の見解や市場心理、噂などの情報だった。また、報道機関が金融市場の権威を社会に伝え、経済政策の正当化にも関与する構造を検討して…