宝永3年3月11日。寅刻(午前3時)前、文左衛門は尾張を出発し、京へ向かう。佐屋まで駕籠で430文。法界門のあたりで夜が明ける。
元禄9年10月6日。空、晴れ渡る。文左衛門は津嶋を参詣する。家を日の出とともに出発し、申1点(午後3時過ぎ)に帰る。今年10月6日、文左衛門は津島社を詣でる。その途中で見たものをここに記す。枇杷島橋。(後略)法界門、甚目寺の門で、あるいは法開門であるが文字はわからず。(後略)勝幡堤口号、春日井郡の勝川とこの勝幡は竹を切り、旗竿に用いる。思うに尾張の故実である。(後略)津嶋宮。(後略)甚目寺、言い伝えではここの像は勢州甚目寺村の漁師が納める。開帳するとすぐに水が満ちあふれると。