●歌は、「一つ松幾代か経ぬる吹く風の声の清きは年深みかも」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(4)(市原王) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(4)にある。 ●歌をみていこう。 ◆一松 幾代可歴流 吹風乃 聲之清者 年深香聞 (市原王 巻六 一〇四二) ≪書き下し≫一つ松幾代(いくよ)か経(へ)ぬる吹く風の声(おと)の清きは年深みかも (訳)この一本(ひともと)の松は幾代を経ているのであろうか。吹き抜ける風の音がいかにも清らかなのは、幾多の年輪を経ているからなのか。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) 題詞は、「同月十一日登活道岡集一株松下飲歌二首」<同じ月の十一日に、…