阿川弘之の『米内光政』(新潮文庫、1982年)を読んだ。昭和10年代に内閣総理大臣、海軍大臣を歴任した米内光政(明治13年<1880年>~昭和23年<1948年>)の伝記だ。 この本を読んだのは、このところ数カ月『精神について』と『ポーランド問題について』の校正が続いて、他の本はまったく読んでおらず、少しくたびれてきたので、これらとまったく関係のない本を読みたいと思いながらネットをふらふらしていたら、たまたまこの本にぶつかったという、かなり安易なことがきっかけ。これまで私は阿川の本を1冊も読んだことがなく、また恥ずかしいことに米内の名前もしらなかったので(はじめずっと、ヨネウチと読むと思ってい…