アースシーの風 ゲド戦記 (岩波少年文庫) 作者:アーシュラ・K.ル=グウィン,清水 真砂子 岩波書店 Amazon 再読したが、カルカドの王女のエピソード(王は、最初は遠ざけていたが、しだいに変わっていくようす)の印象しかおぼえていなかった。と言うのも、この物語が複雑さを含んでいるからではないだろうか? 王が即位して安定したと思われた世界が、やはり揺らいでいる。その原因を表しているかのようなハンノキの夢。死んだ妻を思い、死者の国に呼ばれる。死者と私たちの世界の境とはなんなのか?という問題が改めて突きつけられる。「さいはての島へ」で赴いた死者の国、そして竜の世界。この複雑さが、明確なイメージを…