15,000回転の絶唱。ZX-4RRが証明した、カワサキという名の「正解」。 序章:時代の肖像 いつからだろうか。私たちが「効率」や「実用性」という言葉で、自らの情熱に蓋をするようになったのは。 かつて、日本の道には400ccの4気筒バイクが溢れていた。空気を切り裂く高回転型のエキゾーストノートは、若者たちの鼓動そのものであり、自由へのパスポートだった。しかし、時代の潮流は残酷だ。環境規制の荒波と、コスト重視の合理主義によって、多気筒マルチエンジンは次々と姿を消し、街は静かな並列2気筒の音に支配されていった。 「400マルチは、もう絶滅する運命なのだ」 誰もがそう諦めかけていたその時、ライムグ…