「欲望の欠如モデル」ではなく「欲望機械モデル」へ ドゥルーズ=ガタリが『アンチ・オイディプス』で提示した欲望のモデルは、「欠如によって駆動される欲望」ではなく、欲望機械の作動として欲望を捉えるものである。この点がとくに重要だと思っているので、この点だけまとめます。読んでいくテキストは『アンチ・オイディプス上・下』(河出文庫, 2006)です。 欠如によって駆動される欲望のことをドゥルーズ=ガタリは、レヴィナスに倣って「欲求(besoin, ブゾワン)」と呼ぶ。このような欲求は、「欠如している欲求の対象」を「幻想」として思い描いた上で、それを欲するという形を取るものであり、このような欲求は幻想と…