「すごい綺麗なところ…」 自然にあふれた大地を歩きながら、鞍馬祢音が嘆息した。澄んだ水面に浮かぶように点在する島々は、それぞれにきらびやかな花畑が絨毯のように色づいている。 「こんなところでデザグラやるとか…もうちょっと場所考えて欲しいわね…めっちゃ映えそうなのに!」 少々ズレたことをつぶやきながらあてもなく歩いていると、祢音の視界の端が妙に騒がしくなった。 「何かしら…?」 木の陰に隠れて様子を窺う。病院で見かけるような姿の男女が忙しく走り回り、タンカやストレッチャーで次々に傷だらけの人を運んでいる。 「なんであんなにたくさんケガ人が…?近くにはジャマトもいなかったけど…」 祢音は訝しげにも…