前回、断捨離について書いた。捨てる気持ちが高まって捨てたときに限って捨てた物が必要になる、と。 なぜ、捨てたくなるのか。それは物のない世界を欲しているからだと思う。つまりノイズを少なくしたいのだ。眼前から物が消え、すっきりとした景色に身を置くことによって、思考もすっきりするのではないかと期待しているのだ。 ただ、坐る。(帰宅拒否しているだけでは?) 目の前から物が消えると気持ち良い、という感覚は茶の湯で毎回体験できる。何も置かれていない畳に道具が運び込まれ、お点前が始まる。袱紗を用いて客の前で道具を清める。茶が点つ。会話も加わる。一連のことが終われば、亭主は「お仕舞にいたします」と言い、文字通…