※この物語は筆者の実体験に基づくフィクションです。 主人公:猫実 こいと(ねこざね こいと)ー サッカーとラーメンが好きな女の子 「始まりは1杯のラーメンだった」 猫実こいと。 ここは神奈川県の片田舎。 深夜に人気のなくなった通り沿いに小さなラーメン屋が灯りをともしていた。 私のお目当ては、看板メニューのとんこつラーメン。 深夜のアウェイ遠征前には、ここのラーメンを食べるのが恒例行事になっている。 店内にいるのは、店主と私、それから中年のおじさんが一人。 たった十席のカウンターだけの店――その窓際の端っこに腰を下ろすと、店主が手慣れた動きで食券を受け取りに来た。 「かためでお願いします」 とん…