広島県及び中国・四国地方に古くから伝わる河童の一種。海や川に住み、毛むくじゃらで金属を嫌うという。
四万十川流域には、川に引きずり込もうとした馬に引っ張られて捕まってしまった猿猴が泣いて詫びるので許すと、翌朝から戸口の鉤に魚が吊り下げられるようになったという話が伝わっている。
広島市を流れる太田川水系 猿猴川 の由来となった。
元来は中国(China)南西部に棲息していた手長猿を指していた。仏典*1に水に映った月を愛しいと思い、獲ろうとして溺れた故事があり、屏風絵や掛け軸の画題に好んで採り上げられる。長谷川等伯筆「枯木猿猴図」(こぼくえんこうず)「猿猴捉月図」(えんこうそくげつず)などが有名。
ちなみに月経の隠語でもある。
*1:「摩訶僧祇律」(まかそうぎりつ)