いまも松平容保の怨念は東京銀行の金庫に眠っている。 東京銀行ということは、今の三菱UFJ銀行ということですね。 「王城の守護者」とは幕末、京都守護職にあたった会津藩の松平容保のことです。嫌だったけど無理やり幕府の命により、幕末京都の治安維持にあたらされた会津藩。もともと松平家というのは、徳川秀忠の浮気から生まれた藩だったわけですが、徳川宗家に絶対服従という家訓だったから、断り切れなかったのですね・・・。結局幕末の混乱の中で会津藩は貧乏くじをひかされたようなもので。 そんな会津藩、松平容保の数奇な運命を司馬さんが独特のタッチで小説にしています。容保公はとても寡黙な人で、維新後もほとんど沈黙してい…