生得観念とは、人間が生まれながらにもっている観念のことです。感覚や経験によって得られたのではなく、生まれつき備わっているという考え方です。 生得観念説を主張した代表的な哲学者は、デカルトやライプニッツです。デカルトは、自己の存在を疑うことから出発し、神の存在を証明しました。神の存在は、人間が生まれながらにもっている神の実在を信じるという生得観念に基づいていると主張しました。ライプニッツは、人間の理性は、神の創造によって与えられた原理によって構成されていると主張しました。この原理には、同一性、矛盾律、原因律などの普遍的真理が含まれており、これらの原理は生得観念であると考えました。 一方、生得観念…