読んだ本の記録。 読み始めは野溝七生子『山梔』 自らを犠牲にする母と姉への愛、暴力をふるう父への愛憎。書物への渇求、古代ギリシャ神話・中世ヨーロッパ伝説への憧れと畏敬。 ヒロイン阿字子は家父長制や結婚への圧力などの不自由な世界で、葛藤しながらも誇り高い精神で生きている。 野溝七生子の自伝的小説が復刊されたとのことでお正月休みに読むのを楽しみにしていた。 少女小説というものが好きで、かつては吉屋信子や川端康成と中里恒子による小説を耽溺していた。その後、松田瓊子と出逢い悲しく儚く美しい小説だけが少女小説ではないことを知る。そしてこの度、野溝七生子とついにご対面。我ながら段階を踏んでいると思う。 赤…