現代台湾の文学を代表する作家。1937年江西省桂林生まれ。48年に香港へ、52年台湾へ渡る。台湾大学外文系時代に雑誌『現代文学』創刊に関わり、多くの作品をここに発表。大学卒業後、留学のためアメリカへ。現在もアメリカ在住。 作品に、国民党とともに台湾へ渡った外省人を登場人物とした短編を集めた『台北人』、中華世界からアメリカへ渡った人物を描くニューヨーカーシリーズ、同性愛をテーマとした『ニエズ』などがある。 伝統演劇・昆曲を愛好し、青春版『牡丹亭』の公演を成功させた。
Nieh-Tzu (げっし) 新しい台湾の文学
毎日、小説を書いている。 それも、4作同時進行で書いている。 同時進行だと、たとえ1作が行き詰まっても、 書けない間に他の作品を書けるので、 いつしかスランプから脱出できていたりする。 とはいっても、昼間〝オツトメ〟もしているため、 平日の夜は特にあわただしい。 仕事を終えて夜7時頃に家へ戻ると、 それから、ご飯を食べたり、風呂に入ったりして、 9時くらいから零時くらいまで書斎にこもる。 ネットも、SNSも、テレビも見ない。 そうやって書斎でパソコンに向かっていたある夜 突然、僕が敬愛する三人の作家の気配を感じて ハッとなった。 その三人とは、 『孽子(ニエツ)』を書いた台湾の作家白先勇と 『…
恭喜發財!新年好! (謹賀新年!明けましておめでとうございます!) とうとう、明けてしまったのだ、風の時代が…。 旧暦の元日からが、 風の時代の正式な幕開けとなるらしい。 (と、それっぽい人がYOUTUBEで言ってた) で、さっき、 ちょっとだけスマホの電源を入れて見たら、 トレーナーからLINEが入っていて、 18日からジムが再開されるのだという。 ひゃっほーい! 今年の旧正月は、前から書いているように、 スマホの電源もオフにし、ずっと家に籠って、 自分が何者であるかを炙り出すエロエロ小説を 三作同時進行で書きまくっている。 コーヒー、ウィスキー、ワイン、ペリエ、マティーニ チョコレート、生…
イースターの休暇が始まった。休暇一日目は、アメリカで最も成功した詩人といわれるキンドバーグの学生時代を描いた映画と、(途中から見たので題名はわからない。多分、ハリーポッターの人が主役のような気がする。)中国文化大革命時代の作家で、僕が最も敬愛する作家、張賢亮の小説で始まった。張賢亮は、彼の死後もなお、頭のおかしい作家として中国文壇から排除されている存在なのだが、僕にとっては憧れの作家である。やっと手に入れた作品集をいつも大切に読んでいる。 たとえ僕が、父の待つ故郷へ永遠に帰還しても、この張賢亮の作品のように、無名の僕の作品が誰かに読まれる、なんてことはあるのかな。 こうして、キンドバーグの頽廃…
👆 京都の伏見稲荷に行ってきた ちゃんと稲荷山の頂上まで登ったよ! 謹賀新年、あけましておめでとうございます。 これまでの人生では、新年が始まったと言っても、 まあ、今年もいつも通りに会社へ行き、 いつもと同じような人と、いつも通りの仕事をして、 いつもと変わらない休日を過ごすのだろうな、と、 だいたい予測のつく一年の始まりとなるのだが、 日本へ帰国してからは、一年後にどうなっているのか、 全く予測がつかない今この瞬間を生きている。 それで全く不安も恐怖も感じていないのが不思議だ。 何が起こっても、起こっていることを裁く自分がいない。 ドンピシャな表現ではないけれど、強いて言うならば、 起こっ…
1984年4月、研文出版(山本書店出版部)から刊行された台湾アンソロジー小説集。翻訳は松永正義、中村ふじゑ、林正子、田中宏、横川正明、宇野利玄。カバーは宮川政己。研文選書20。 目次 市井伝奇 洪醒夫 中村ふじゑ、林正子訳 冬の夜 白先勇 松永正義訳 村の教師 陳映真著 田中宏訳 陸軍軍曹陶多泉 方方 横川正明訳 彩鳳の夢 会心儀 林正子,中村ふじゑ訳 「現実主義」文学であって「郷土文学」ではない 王拓 松永正義、宇野利玄訳 解説 台湾文学の歴史と個性 松永正義 NDLで検索https://id.ndl.go.jp/bib/000001665612Amazonで検索https://www.am…
第20話~第29話 1926年3月20日 中山艦事件 白崇禋将軍が出て来た。 白将軍は国民党の将軍、戦後台湾で政治家をしていた。 俺が感動した映画「金大班的最後一夜は彼の息子の作家白先勇が書いた小説だった。 このドラマは100年前の中国共産党と国民党の交流も描いているが、俺が台湾放浪をした1974年には生存していた人たちがいろいろ出てくる、だから同時代史のドラマを見ている面白さがあるのだ。何応欽将軍この人も当時生存していた。俺が見合いをした女性のお父さんが何応欽将軍と会ったと言う話などもされていた。あの見合いした女性はどうしているのだろうかふと気になった。
以前書いた瞑想の話とリンクしているのだが、 こうして、自我の呟きが見抜けるようになってくると、 だいたい、自我のパターンが読めてくる。 他者と比較して焦らせ、競争させようとするか、 あの人に比べて自分は、と落ち込ませようとするか、 このままでは大変なことになる、と不安を煽ってくる。 なんしか、 〝欠乏と破滅への恐怖〟で脅しまくってくるのだ。 👆 台北二二八和平公園 白先勇の小説〝二エツ〟舞台となったところ これらの脅しに、ずっと僕はちょちょ舞い続けてきた。 いや、これらの声が自分の声だと思っていたので、 脅されていることにさえ気づいていなかった。 しかし、自分の中が奇蹟であることで満たされると…