おはようございます。今日は日本古典文学大系73番の『和漢朗詠集・梁塵秘抄』から『梁塵秘抄』です。中世の今様(遊女や白拍子も歌った七五調の歌謡)です。 君が愛せし綾い笠 落ちにけり落ちにけり、加茂川に河中に、それを求むと尋ぬとせし程に、明けにけり明けにけり、さらさら清け(さやけ)の秋の月は 綾い笠はいぐさで編んだ笠だそうです。その笠が加茂川に落ちてしまって、それを拾おうとしていた間に、秋の夜が明けてしまったよ、というような歌です。この歌は何が言いたいのでしょうか。 川村湊訳の光文社古典新訳文庫には、「女性(遊女)のところに行けなかった男の言い訳であるとか、遊女が客を引き留める歌であるとか、あるい…