窪美澄著『朱(アカ)より赤く 髙岡智照尼の生涯』(小学館)の読後印象記を先日載せた。その本の奥書から本書を知った。『朱より赤く』は伝記風小説で一応フィクションとして描かれている。調べて見ると本書が地元の市立図書館に蔵書としてあったので早速借り出して読んだ。 本書は智照尼本人による自伝。だが、智照尼が己のこれまでの人生遍歴を地の文で書き綴った本ではない。智照尼の視点から己の人生について、事実をベースにした自伝小説という形式を取っている。つまり、登場人物は実名で出てくるが、その人々との関係においてリアルな会話が織り混ぜられて、場面・状況が再現されていく。著者(智照尼)が12歳からつけていた日記がこ…