「私たちが得ている外部からの情報のうち、8割は視覚からである」という言葉を私自身も何度か使ったことがあります。同じ意味合いの言葉を多くの人が自明なことのように使っています。でもこれって本当なのでしょうか? 研究論文などでも根拠となる引用文献が示されずに使われてきました。筑波技術大学の加藤宏によると、これに関する日本語での最も古い文献は1972年に出版された「産業教育機器システム便覧」だそうです。その便覧では図を用いて五感による知覚の割合が掲載されていて、味覚1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、聴覚 11.0%、視覚 83.0%となっています。ただし、数値の元となった文献は示されていません…