石炭ストーブ 北海道第百科事典(昭和58年、北海道新聞社)より 父母、祖父母の並ぶ真ん中に僕が飯台に手をついて立っているところを写した写真がある。皆、暖かそうな服を着ているので、冬の写真のようだ。髪の毛が生え揃い、自分で立とうとしているので、一歳に近い頃のものかもしれない。 僕は、その写真を見ると、いつも、ストーブに暖められた部屋の中の、甘い湯気の匂いを嗅ぐような気がする。 * 居間の一角に石炭ストーブがありました。砂川の近隣には炭鉱が多かったので、石炭は潤沢に使えたようです。物置小屋の隣に石炭小屋がありました。秋になると小型のトラックで石炭を運んできて、家の庭に石炭の小山を置いて行きました。…