生産力と戦力 前回は地勢の成り立ちをみた。今回は、その地勢による生産力について考える。 時を戦国時代に移す。戦国大名の領国の経済力は概ね石高で把握可能である。現在で言うなら国内総生産ということになる。ただ、太閤検地を待つまでは、全国的統一基準による石高の把握やこれに基づく戦国大名の国力比較は出来なかった。それ以前は貫高(銭本位制)と石高(米本位制)が混在し、また、それぞれの石高把握の基準値も相違した為である。計量基準さえ恣意的なものであり、信用力を担保出来なかった。 無論、太閤検地と雖も土地による生産高が対象であるから、工業や漁業、商業やサービス活動による生産価値は基本的には含まれない。よって…