少し前に横浜の港の見える丘公園近くにある神奈川近代文学館に小津安二郎展を見に行った。入場してすぐ、4本の映画の当時の予告編、撮影快調!乞うご期待!というのが決まり文句になっている予告編がモニターに流れていて、これが面白かった。主人公の若い女性が自分の考えを主張するようなとき、カメラは主人公を真正面から捉えている。岡田茉莉子がまくしたてる、佐田啓二が理屈をこねる。その主張を投げかけられている相手や、ゆったりと会話が進むときは、よく言われる小津のローアングルから人物を斜めに捉えて、少し引いた位置となる(ことが多い気がする)。いまもそうなんだろうけれど、若い人たちは早口で主張し、既成の価値に居座って…