4.0 旅芝居一座を率いる親方、嵐駒十郎(中村鴈治郎)は老齢にもかかわらず、私生児がいて若い内縁の妻を(京マチ子)をつくるほど甲斐性もちですが、浮草は男はつらいよのように見える話でした。 船でやってきた海辺の町は、駒十郎にとってたんなる巡業先ではなく、古い連れ合いのお芳(杉村春子)とその間に生まれた息子の清(川口浩)がいる特別な場所でした。 一座の若い衆はビラをもって興行の宣伝をしながら町の女を物色します。かれらにとって芝居のことを触れ回るよりも女を漁るほうが本義です。飲み屋と売春宿が合わさったようなところで、だぶついている女郎にちょっかいをだしたり散髪屋の娘に言い寄ったりします。 おそらく駒…