備前焼の肩衝茶入。天正十五年(1587)の九州陣の際に千利休が筑前箱崎で催した茶会で用いられた。高級な白地金襴の仕覆に入れられており、袋ばかりが立派ということが銘の由来とされる。 袋ハカリナホトニト有也 参考文献 袋ハカリナホトニト有也 博多の豪商神屋宗湛の茶会記『宗湛日記』によれば、天正十五年(1587)六月十四日昼、千利休は筑前箱崎の燈籠堂で茶会を開き、神屋宗湛、島井宗室、長谷川宗仁が参加した。『宗湛日記』にはこの時の茶会について、以下のように記されている。 フカ三テウ、カヤフキ、カベ(壁)モ青カヤ、新釜ウハクチカナ風爐、小坂ナク、疊ノ上ニソノマヽ、上座ノ柱ニ高麗筒ニシテ花生テ、ヤクモノ花…