その昔、ある木造軸組の建物が傾いた。つまり不同沈下と言われるコトが起きた。これは建ててから年数を経ると、多かれ少なかれ建物の水平垂直問題は起きるものかもしれないから、僅かな変化ならば仕方ない点もあるだろう。だが、この建物は捩れるように傾いた。そして構造を観察してみると、ほぞ穴や仕口に隙間が出来ている箇所も多数見つかった。 そしてそれは、東日本大震災によって更に悪化した。 もっともあの時は、多分、その建物は崩壊しただろうと思った。だが、或いはユラユラと揺れるコトで振動を吸収して、まるで奈良の何重の塔みたいな柔構造のような感じで持ちこたえたかもしれないなぁ・・・などと思っていたら、持ちこたえてしま…