ローレシアは魔法への関心が低いため、巻物を保管するのに最適だというおれの意見に ナナは「サマルトリアはどうなのか?」と疑問を投げかけてきた。 サマルトリアではダメな理由の1つ目は、おれの親父の存在だ。魔法を嫌う親父が 巻物を大切に保管してくれるとは思えない。 だが、保管場所がサマルトリアではダメな理由はもう1つある。 おれがそう言うと、王子とナナは早く言えとばかりに身を乗り出してきた。 ここからは重い話になるからな。おれは懐から地図を取り出すと、2人の前に広げた。 「2つ目の理由は『立地』だよ。もし、この世界に再びハーゴンみたいな奴が現れて 危機が訪れるとしたら、そいつらはどこを拠点にすると思…