楽な戦(いくさ)と思われた。 英国陸軍司令部は、そのように政府に請け負った。「完全な軍団が一つ、騎兵師団が一つ、騎乗歩兵が一個大隊、それに輜重兵が四個大隊」、南アフリカにはそれで十分。ボーア人どもを薙ぎ倒すには、その程度の戦力投入で事足りる、まったくわけ(・・)ない仕事です――と、 「すべては六週間以内にカタがつく」「クリスマスまでにプレトリアへ」 そう豪語していたものだった。 (Wikipediaより、プレトリア) 政府は信じた。 げに頼もしき発言よと頷いて、開戦のベルを打ち鳴らす。南ア戦争、もしくは第二次ボーア戦争の始まりである。 ところがだ、いざ蓋を開けてみればどうだろう。 混沌展開、収…