かつては旧暦の4月3日に行われていた五條市南阿田の流し雛。現在は4月第一日曜日(昭和48年より)になった。この日は村の農休日。「休まんと罰金や」というて、絶対に集まれる日を行事の日としたのである。南阿田では戦前まで伝統の吉野川流し雛を守ってきた。戦中、戦後も途絶えていた村の行事を昭和44年に復活された亀多桃牛氏の意思を継いで今も行っている。流し雛を流す吉野川は清流。流れ、流れて和歌山の淡島へと注いでいく。南阿田西方数キロメートルからは吉野川は名を替えて紀ノ川となる。流れる川の水は同じでも地域によって呼称がかわる。その淡島には加太の淡嶋神社がある。婦人病やお雛さんの神さんとして崇められている。吉…