-----講義録始め------ さて、続いて老年期の発達課題について見ていきたいと思います。こちらをご覧ください。エリクソンによる老年期の課題は「統合対絶望」であり、基本的な強さを「英知」としています。老年期は発達段階の最後の段階で、それまでの段階を統合する段階と位置付けています。 その一方にある失調要素としての絶望がこの時期には目立ちますが、「英知」という人間の強さによってそれに立ち向かえると言えます。この老年期は、それまでの発達段階の課題などの特質が改めて繰り返され、新しい価値を持ち、個人の中に取り込まれていきます。そして、エリクソンはこの時期の「英知」を重視しています。エリクソンは「英…