今回、江戸東京博物館で特別展「縄文2021―東京に生きた縄文人―」と企画展「ひきつがれる都市の記憶―江戸東京3万年史」が同時に行われたことから、私は縄文文化・文明の世界へのアピールが行われるものと期待しましたが、多くの発掘成果がまとまって展示され、「土器に残る圧痕から豆類(ダイズ・アズキ)の栽培も判明した」とはっきりと示していたものの、「縄文農耕と土器鍋糖質食文化」「母系制社会」「広域交流・交易社会」「地域分業と分散居住が進み、大規模共同祭祀が行われた部族社会」「ポンガ(沸騰と吹きこぼれ)を祝う天神信仰」など、「縄文時代」を世界史の中に文明段階として位置付けた総合的な展示などは見られず、「縄文…