Key words:実をくり抜いて作った燈籠(とうろう) 『銀河鉄道の夜』は,夢の中で「みんなのほんたうのさいはひ」を求めて銀河宇宙を旅する話だが,サクラ,カラスウリ,イチイなど30種ほどの植物が登場してくる。このうち,「カラスウリ」を使った「烏瓜のあかり」というとても奇妙な言葉が随所に登場し,他の植物は忘れてしまっても,この「カラスウリ」だけは頭から離れない。 賢治は,「カラスウリ」をとても重要な植物として扱っているようだ。しかし,「烏瓜のあかり」とはいったいどんなものであろうか。具体的なイメージがなかなか作れない。また,なぜこの物語に「烏瓜のあかり」が必要なのかも分からない。そこで,今回は…