『罪の境界』 薬丸 岳 被害者側の主人公の明香里、その対象は自らを庇って命を落とした飯村という男性。はたまた加害者側の主人公の溝口、彼の対象は通り魔事件の被疑者である小野寺。2人の主人公がそれぞれに対象者の過去を追っていくカタチで物語は進んでいく。その根底にあるのは親からの愛情、それに対する答え…である。無意識なレイシスト達に少しずつ傷つきながらも、前を向いて少しずつ視野を広げていく対象者、同じようなカタチで視野を狭めていく…、いや狭めざるを得ない状況に追い込まれていく対象者。どんなことがあっても明らかに黒である……。ただ、それだけで話を終わらせていいのか?結論の先にある根底的な問題は触らなく…