日本には古くから羊が持ち込まれていたが、家畜として利用されることは少なかった。江戸期では、公家など一部の日本人が飼育していたほか、長崎出島のオランダ商館で放し飼いにされていたことが記録にみえる。特に長崎では、来航する中国人やオランダ人により羊料理や羊乳の乳製品が食されていたらしい。 飛鳥・奈良・平安期の羊 羊羹の伝来と変化 日本の牧羊 長崎の羊料理 参考文献 飛鳥・奈良・平安期の羊 日本の文献史料に羊が現れる時期は早い。『日本書紀』推古天皇七年(599)九月、百済からの貢物として駱駝一匹、驢一匹、白雉一侯とともに羊二頭がみえる。また正倉院宝物である天平勝宝八年(756)の『奉盧舎那佛種々藥帳』…