大人の発達についての本だと思い、本書を手にしました。 タイトルは「おとなが育つ条件ー発達心理学から考える」です。 読後の感想はこうです。 がっかり。 なぜそう思ったのかを書きます。 本書の最初に発達心理学の概論が書いてあります。 書いてありますが、大人の発達について観念的というか可能性というか希望的信条を述べているだけで実態はありません。 児童心理学とか青年心理学とか、ステージごとに区切られていた時代、老人の心理学は徐々にできなくなっていく過程を追うものでした。 そうじゃない、人間は生涯発達するんだ、その機能変化を追うんだ。 という信念で発達心理学が提唱されたわけなんですが、じゃあ大人は具体的…