なにひとつ、自分で思っていないし、決めていない。 そもそも、何かを思っている自分なんていない。 自分なんていないから、罪悪なんていうものもない。 ピーポーピーポー、という音がしてから、 あ、救急車や、という思いがふっと湧き上がってくる。 救急車やと思ったからその音が聞こえたのではない。 あ、救急車や、という思いがふっと湧いて出るまでは、 ただのピーポーピーポーでしかなく、逆に言えば、 あ、救急車や、と言う思いが〝ふっ〟とわかない限り、 救急車が通った、と知覚できないようになっている。 何が言いたいのかと言うと、 思いには実体がない、ということを言いたかった。 どこからともなく湧き出した実体のな…