------講義録始め------ さて、高齢になるとパーソナリティーは変化するのでしょうか。また、老年期のパーソナリティーには特徴があるのでしょうか。日本における1970年代から15年間の縦断研究によると、自己概念において、過去の自己評価は年齢が上がるにつれて肯定的な反応が増加する一方で、未来の自己評価は70歳時点では肯定的であったものが、80歳、85歳になると老化や死といった否定的な内容へと変化していました。 また、自我の強さに関して、自我機能が維持されている人に比べて、自我機能が低下した人たちの死亡率が高いことが示されています。さらに、自我機能が低下している人たちには、自己認知や身体的自…