第1章 老いることにジタバタしない人には品格がある 老いと闘えるあいだは戦い抜く いま、老いに対する人びとのスタンスが二極化していると感じます。 一方は、老いとずっと闘いつづけなければならないと考える、「アンチエイジング派」です。 いつまでも若々しくありたい、老け込みたくない、寝たきりや認知症にならないようにしたいと考える人たちです。 もう一方は、その対極の反アンチエイジング、「自然に老いる派」です。 老いと闘うか、受け入れるか。 残念ながら、人間は最終的に老いを受け入れざるをえないと考えています。 そのベースにあるのは、高齢者医療での経験です。 老年医学の研究のため、入所者の診療を行うととも…