ゴッホの最も有名な絵画、ゴッホの最高傑作、どちらも花の絵画である。花の絵が静物画の主題になってくるのは、17世紀オランダ黄金時代の絵画から。ゴッホはオランダ人としての遺伝子を受け継いだ。 ゴッホは花の絵を多く描いたが、本当は人物画を描きたかった。しかし、モデル料を払えず、仕方なく花の絵を描いた側面もある。 ゴッホが裕福で花の絵を練習していなければ、《ひまわり》や《アイリス》や《花咲くアーモンドの木の枝》も、傑作になっていなかったかもしれない。貧乏が歴史に残る絵画を生み出したとすれば、人間の運命は皮肉である。 なぜ、ゴッホの「花の絵」は感動するのか? その意味を、花の傑作たちを紹介しながら旅をし…