この齢になってもまだ、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ、つまりアイリス系の花形の観分けができない。困ったものだ。 また寝そびれちまった。深夜に一度眠気が差したのだったが、ちょうど昔の映画を観ていたから、最後まで観てから寝ようと思い、そこがユーチューブの便利さで、いったん動画停止して珈琲を飲んだ。小腹が空いたというやつで、餡まんを一個ふかして食べた。映画は上機嫌で観了えたものの、眠気はどこぞへ消し飛んでしまった。 あの小説のあの場面はどうなっていたんだっけかと、先日ふと気になった作品があっった。藤枝静男『或る年の冬 或る年の夏』である。どうせなら冒頭からと、つい読み始めてしまったら、思いのほか時…