訓読 >>> 1429娘子(をとめ)らが 挿頭(かざし)のために 風流士(みやびを)の 縵(かづら)のためと 敷きませる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひはもあなに 1430去年(こぞ)の春(はる)逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へ来(く)らしも 要旨 >>> 〈1429〉娘子たちの挿頭(かざし)のためにと、また風流な男子の髪飾りのためにと、天皇がお治めになる国の果てまで咲く、桜の花の色の何と美しいこと。 〈1430〉去年の春にお逢いしたあなたに恋い焦がれて、桜の花はあなたをお迎えするために来ているようです。 鑑賞 >>> 「桜花の歌」。左注に、若宮年魚麻呂(わかみやのあゆまろ)が口…