全編素晴らしいが、特に興味深い、第7章 マッカーサーに語ったこと「昭和天皇「独白録」の弁明」、第8章 皇位簒奪というイリュージョン「秩父宮と226事件」を取り上げたい。 昭和20年9月27日。昭和天皇とマッカーサー、二人が初めて会ったとき、昭和天皇が言ったことについて様々な声がある。「マッカーサー回顧録」(1964津島一夫訳)によれば、「私は天皇が、戦争犯罪人として起訴されないように、自分の立場を訴えはじめるのではないかという不安を感じた。……しかし、この私の不安は根拠のないものだった。 天皇の口から出たのは、次のような言葉だった。『私は、国民が戦争遂行にあたって政治、軍事両面で行ったすべての…