さまざまな夜:菊村到 1962年(昭37)1月~12月、雑誌「新婦人」連載。 1963年(昭38)河出書房新社刊。 1957年の芥川賞受賞作家、菊村到(1925~1999)によるサスペンス味の効いた恋愛小説。結婚するつもりで恋人と交際を続けているヒロインのまゆみだが、愛を深めるための婚前交渉には消極的だった。ある日社用でデートを断った彼女は、銀座で恋人の潔が見知らぬ若い女と連れ立って歩く姿を見た。思わず後をつけた彼らの背後には別の男が同じように追尾していたことがわかる。 さまざまな夜:菊村到、宮永岳彦・画1 別の日には自分の父親が若い女性と温泉街を歩いているのを見てしまう。彼女は平凡な波風の立…