路肩に車を停めた時、遠くからキジの甲高い声が聞こえてくる。幸先良しと田んぼ道をゆっくり啼き声の方へ、草に足を取られて転びそうになったこともあって、老爺は随分と用心深くなっているのだ。キジは農道の横の畦にいた。 母衣打ちの後、老爺が少し近づいたのをきっかけに、コヤツは急に田んぼの中へ走り出し段差のある一段下の田んぼに姿を隠した。キジの走りが速いのは承知しているが、今日の走りはおっ!と思うほどの速さ、驚いていた。 ゆっくり畦道を歩いていて「蓮如上人御影道中」の一行を眼にした。真宗本廟(京都市)から吉崎御坊へ向かう途中だ。確か7日間の行程。京都からだと通り過ぎていく一行は2日目だろうか。今日は何処ま…