とってもないなかで、雨上がり曇天の夜に、ひとりおさんぽ。 いなかの夜は、暗い。月明かりがあれば、まだいい。満天の星空、も良い、と思う。でも、天気があんまりよくない日の夜には。のしかかる暗闇、ってのを、体感できる。ヒトのすむエリアからほんの少し外れると、昼間はそこにあった山も川も田んぼも畑も。すべてが闇に、溶ける。 川のせせらぎは聞こえても、境界線は見えない。カエルの鳴き声が波のようによせてはひいて、またよせる。目が闇に慣れてくると、ほんの少し、溶けかけた境界線が浮かび上がる。いちおう、アスファルトの道ではある。なのに、後ろから私の背に張りつこうと何かが追ってくるようで。前を見据えれば、私が其処…