「斜め上を行く、なんて言葉は、誰かの期待を『正解』の範囲内で裏切るための、ただの記号に過ぎない」 夜の国道16号、19時58分。 OM-D E-M10の小さなボディに、45mm F1.8(換算90mm)という鋭い針を装着して歩く。向こうから、サイバーパンクの残像のようなLEDの光る首輪を引き摺って、一匹の犬がやってくる。 その「光」が網膜に触れた瞬間、私の脳内にある古いOSが、瞬時に「美しい45度」の構図を弾き出した。 斜め45度の「正解」から、あと15度だけ踏み込む。その瞬間に、景色は「記録」から「表現」へと現像される。 ふと、走馬灯のように過去が過ぎる。 20代の万能感と、30代の規律。 …